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お知らせ
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人吉球磨に来たら、この人にぜひとも会っていてほしい。地域のディープな魅力にふれるなら、この人の話を聞いてほしい。
そんな人を人吉球磨ワーケーションのコンシェルジュが紹介していく「人物図鑑」。
今回は、人吉球磨ワーケーションの拠点でもある相良町の自家焙煎スペシャリティコーヒー店「永田村右衛門ROASTERY」の尾方えりさんです。
丁寧に淹れられた一杯のコーヒーに、なんだか救われたり、こころからホッとできたり、誰かとの会話が弾んだり。そんな経験ありませんか? 人吉球磨ワーケーションの拠点である「人吉市まち・ひと・しごと総合交流館くまりば」の駐車場内にあったモゾカタウンで、2021年3月末から仮設店舗営業をしていた「永田村右衛門ROASTERY」の尾方えりさん。私たちコンシェルジュにとって、尾方さんが淹れてくれる一杯のコーヒーは、気分を変えたい時に頼りたい存在でした。仮設店舗が終了し、現在は尾方さんの実家をリフォームした新店舗が2023年春にスタートしました。2020年の豪雨水害から3年弱の時を経て、尾方さんは新たなスタートの一歩を踏み出しました。
そもそも、なぜ「永田村右衛門」? と思う方もいらっしゃるでしょう。この名前にこそ、尾方さんの熱い、熱い思いが込められています。尾方さんの実家は、明治期に創業した130年以上の歴史をもった老舗の製材所でした。昔から使われてきた重厚な製材機を大事に受け継ぎ、日々手入れをし、ほかではできない特殊材や硬い木材の製材を請け負える地域でも指折りの製材所でした。その製材所の屋号が、「永田右衛門商店」だったのです。
2020年の水害前、尾方さんは製材所事務所の一角で、鹿児島の「可否館」のスペシャルティコーヒー豆を20年間販売していました。スペシャルティコーヒー界隈でも、全国にその名が知られている「可否館」は、尾方さんの叔父さんの店。製材所で販売していたコーヒー豆は地域でも評判で、固定ファンがついていました。
2020年7月に人吉球磨を襲った豪雨は、地域に甚大な被害を及ぼしました。製材所のある相良町は、川沿いではあるものの少し高台になっていて、滅多に浸からない場所といわれていました。しかし、2020年7月4日の豪雨によって、製材所のある地域一帯が濁流にのみ込まれました。事務所内にあったコーヒー豆のコーナーに喫茶室をつくり、店を拡大するために事務所を改装し、7月15日にオープンする直前の出来事でした。
新しく改装した事務所内の店には泥が積もり、前日にきれいに陳列していた商品は流され、途方に暮れる中、尾方さんが見つけたのは小さなカラーボックスでした。その中にはコーヒー関連の書物や書類がきれいに残っていたといいます。「これから先どうしようと落ち込んでいたけれど、この書類を見たことで決心がつきました。お客様からも多くのメッセージをもらい、待っている人の存在も大きかったです」と語る尾方さん。そこからの日々は、本格的に自家焙煎のコーヒー店を開くため、週に2日の休みは焙煎の練習を行い、鹿児島の「可否館」に焙煎したものを送りアドバイスをもらい、また焙煎するという、修行の日々。同時進行で仮設店舗の営業、実家店舗の改装と、ほぼ休み無しだったといいます。
水害の被害が少なかった尾方さんの実家を改装して、新たな店舗をオープンすることに決まったのは、2021年の4月。計画が北欧風から、和を活かした空間設計に全面変更になるなどいろいろあったといいますが、「父と母が住んでいた部屋を活かす設計になってよかった」と尾方さんは語ります。130年以上もの歴史を重ねてきた製材所「永田村右衛門商店」から、「永田村右衛門ROASTERY」へ。半熱風式の焙煎機を取り入れ、いつもコーヒー豆の良い香りに包まれている「永田村右衛門ROASTERY」の歴史ははじまったばかりです。
【永田村右衛門ROASTERY】
人吉市相良町1251 Tel.090-5294-5462
@nagata_roastery
<メッセージ>
2020年の7月の豪雨被害から、たくさんの方のメッセージに支えられ、新しい店がオープンすることを心待ちにしてくれるお客様の存在があったからこそ、実家店舗をオープンするまでたどり着きました。実家店舗には「永田村右衛門ROASTERY」のほかにも、懐石料理のお店、整体のお店もあります。人吉球磨ワーケーションの拠点である「くまりば」からも歩いてお越しいただけます。
<尾方さんの地元自慢>
青井さん(青井阿蘇神社)は必ず行ってほしいところです。人吉は水と空気が美しく、それが自慢ですが、ぜひとも球磨川の川沿いを歩いてほしい。私もよくお散歩しますが、時々ヤマセミに出くわすことがあります。お店のマークとしていとこがヤマセミのイラストをプレゼントしてくれ、それも気に入っています。おしゃれなカフェも多いので、人吉に来たらカフェ巡りもしてほしいですね。