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お知らせ
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人吉球磨に来たら、この人にぜひとも会っていてほしい。地域のディープな魅力にふれるなら、この人の話を聞いてほしい。
そんな人を人吉球磨ワーケーションのコンシェルジュが紹介していく「人物図鑑」。
今回は、地元の人はもちろん、市外、県外からのお客様から愛されている「丸一蕎麦屋」の五代目、佐々木絵理さんです。
人吉のグルメといえば、必ずといっていいほど名前が挙がってくる「丸一蕎麦屋」。
1898(明治31)年創業で、124年(2022年現在)の歴史を持つ老舗蕎麦屋さんです。その五代目にあたるのが、今回ご紹介する佐々木絵理さんです。前回の簔毛鍛冶屋の簔毛さんと同様に、小さい頃から「蕎麦屋を継ぐ」と心に決めていたという絵理さん。学生の時には、店のお手伝いが堂々とできる年末の年越し蕎麦の時期が楽しみでしょうがなかったといいます。
学校を卒業後、絵理さんは武者修行(!)のために熊本市内で会社員として働きます。「お店を継ぐためには、接客のノウハウをしっかり身につけたい」。その理由で、就職先にはさまざまな人と接する携帯電話の受付窓口を選んだといいます。老若男女、携帯を利用する人が訪れる窓口業務では、お客様に合わせた対応力が磨かれたようです。それが、現在の蕎麦屋での接客に役立っているそうです。
絵理さんが蕎麦屋を手伝うために人吉に戻ってきたのは、2020年の3月。ちょうど新型コロナウイルスが広まってきたタイミングでした。さらに、その年の7月には「令和2年7月豪雨」が起き、10年前に新築した店舗が大きな被害を受けました。たまたま隣にあった昔の店舗を倉庫として使っていたため、中を片付けて仮店舗として営業を再開しました。絵理さんにとっては、三代目であるおじいちゃんの思い出のあるお店。そこで働くことができたことは、災害からの復興に向けた意欲が生まれたとともに、感慨深いものがあったようです。
蕎麦屋修行中の絵理さんの朝は、葱切りからはじまります。丸一蕎麦屋が代々受け継いできた出汁をひくのは、おかみの役割。この出汁をひく準備を、絵理さんは最近になって手伝いはじめたそうです。出汁の味を変えない、いつもの味に仕立てることが、丸一の伝統。その伝統の味を守るため、店に出るスタッフ全員で味のチェックをするといいます。開店とともにやってくる常連さんたち。丸一の蕎麦が、地元の人にとって生活の一部となり、長く愛されてきた理由は、変わらない、ということが大きいのかもしれません。絵理さんにとってはプレッシャーかもしれませんが、これから変わらぬ味を受け継いでいく覚悟のようなものを絵理さんから感じました。
【丸一蕎麦屋】 人吉市二日町7 Tel.0966-22-3078
営業時間 10:30〜17:00 定休日:水曜(水曜が祝日の場合は木曜休み)
<メッセージ>
人吉は静けさの中に、いろんな音があるまちです。まわりが静かな環境だからこそ、この店まで球磨川の音が聞こえてきて、その時の川の様子が遠くからでもわかります。私のお気に入りの場所は、人吉城跡の近くにある水ノ手橋から眺める球磨川の景色。すぐそばにある風景ですが、眺めるとほっとします。実は2020年の水害の前の日にもこの橋からの眺めを写真で撮りました。人吉球磨は、リラックスしながら仕事ができる環境だし、おいしいものもたくさんあります。ワーケーションでこの自然もしっかり楽しんでいただきたいです。
<佐々木さんの地元自慢>
人吉に帰ってからは、球磨焼酎をよく飲むようになりました。店でも球磨焼酎を出すようになり、蕎麦と焼酎の合わせ方を研究しています(笑)。人吉のグルメでおすすめは、「グリルかかし」のかかし弁当です。弁当という名の定食のようなもの。地元の人たちからも愛されている店で、私にとっても小さい頃から馴染みの店です。